21. あなた方はこの皮膚の色が持つ意味を理解していません


 「私たちはみんな、一人ひとりが神の分身です。神は、ある者には赤く、ある者には黒く、ある者には黄色に色をつけ、そしてある者には色をつけませんでした。しかし、このように人によって色が違うようにしたのは、神のお計らいの一部なのです」とシルバー・バーチは教える。

 この地上では、皮膚の色で人が人を差別することが少なくない。同じ皮膚の色に対しても、国籍が違うというだけで激しく差別することもある。その差別が取り除かれない限り、世界の平和と調和がもたらされることはないのであろう。シルバー・バーチはさらに、こう教える。

 あなた方はまだ、この皮膚の色が持つ意味を理解していません。それぞれの色にはみんな大きな目的があり、生命の法則に寄与しているのです。(「霊訓原文」20)




  22. 地上で偉大な者が霊界でも偉大なのではありません


  「皆さんはすぐに地上時代の地位、社会的立場、影響力、身分、肩書きといったものを考えますが、そうしたものはこちらでは何の意味もありません」とシルバー・バーチは言う。(「学びの栞A」45-b) 偉大さの基準が霊界では地上とは違うのである。ここでは、こう繰り返されている。

 地上で偉大な者が霊界でも偉大なのではありません。こちらの世界での偉大さは、魂の偉大さ、霊としての偉大さ、奉仕の心の偉大さです。これらの偉大さこそが、地上世界の小さな輝きが消えた後でも、いつまでも残っていくのです。 (「霊訓原文」41)




  23. まだ見たこともないものを信じる人たちは幸せです


 イエスの復活を他の弟子達から聞いてもトマスはそれを信じようとはしなかった。再び現われたイエスの姿を目の前にして、初めて復活を信じたトマスに、イエスは「わたしを見たので信じたのか。見ないで信じる者はさいわいである」と言った。(ヨハネ20:25-29)

 シルバー・バーチは、「知識に根ざした信仰ならば、強固な基礎の上に築かれていますから、どんなに強い風が吹いても、揺らぐことはありません」と言ったあと、こう続けた。

 まだ見たこともないものを信じる人たちは幸せです。しかし、知っていてそれが故にまだ自分たちに明かされていないものをも信じられる人たちはさらに幸せです。(「霊訓原文」26)



  24. 霊的真理に生きることによってのみ平和が訪れる


 「霊的法則を世界で起こる諸問題に適用することによって初めて平和が訪れるということを地上世界の皆さんはお分かりでしょうか」とシルバー・バーチは問いかける。それは、私たちが互いに利己主義を捨てて奉仕の精神を身につけて生きることであろう。

 利己主義は流血と悲惨と慟哭をもたらす戦争を作り出すのみならず、世界の無秩序、混乱、災害、破滅をも生み出す。だから私たちは、利己主義ではなく霊的真理に生きなければ世界の平和は訪れない。それをシルバー・バーチはこう述べた。

 いままで、いろいろと平和のための手段は試されてきましたが、それらは、すべて人類を救うことはできませんでした。ただ一つ、霊的な真理を適用するという試みだけがまだ為されていません。(「霊訓原文」173)



  25. あなたは決して一人ぼっちではありません


 「あなたは決して一人ぼっちではありません」と言って、シルバー・バーチはこう続けた。「見えなくても、聞こえなくても、感じられなくても、霊たちは常にあなたのそばにいて守ってくれているのです。このような霊たちの実在にほんの少しでも気づいてくれれば、地上の世界も大きく変わっていくことでしょうが。」(「霊訓原文」197)

 私たちからは霊界が見えなくても、霊界からは私たちがまる見えなのでである。この事実だけでも知ることができれば、確かに、私たちの生き方も少しは変わるかもしれない。シルバー・バーチは、冒頭のことばのあと、さらに続けて、つぎのように述べた。

 私たちがあなた方に教えようとしているのは、あなた方に理解と自信と安らぎと幸せをもたらすごく単純な霊的真理なのです。私たちは、あなた方に神にもっと近づくための法則がどういうものかを教えようと努めています。それが私たちの使命なのです。




 26. 時として人生が不公平に思えることがあります

 時として人生が不公平に思えることがあります。ある人は苦労も苦痛も心配もない人生を送り、ある人は光を求めながら生涯を暗闇の中を生きているように思えることがあります。しかしその観方は事実の反面しか見ておりません。まだまだ未知の要素があることに気づいておりません。(『学びの栞A:48-b)

 シルバー・バーチはこう言った後、「私はあなた方に較べればはるかに長い年月を生き、宇宙の摂理の働き具合をはるかに多く見てきましたが、私はその摂理に絶対的敬意を表します。なぜなら、神の摂理がその通りに働かなかった例を一つとして知らないからです」と続ける。そして、つぎのようにも言った。

 こちらへ来た人間が ”自分は両方の世界を体験したが私は不公平な扱いを受けている” などと言えるような不当な扱いを受けている例を私は一つも知りません。神は絶対に誤りを犯しません。もしも誤りを犯すことがあったら宇宙は明日という日も覚束ないことになります。




 27. 何事も目の前の結果だけで判断してはなりません

 一生懸命に神に祈っても、その願いが叶えられないことがある。しかし、だからといって、その人が不公平に扱われているわけではない。むしろ、願いが叶えられないほうが、本人のためにいいこともあるのである。

 「私はあなた方の祈りや、時には他の人びとの祈りにも耳を傾けることがありますが、もし神がそれらのすべてをそのまま聞き届けられたら、その結果はむしろあなた方にとっては、喜ばしいものにはならないと思うことがあります」とシルバー・バーチは言う。そしてこう続けた。

 何事も目の前の結果だけで判断してはなりません。あなた方は物質の目でしかものを見ていないのです。あなた方がもし、霊の目でものを見ることができるなら、神の子であるあなた方一人ひとりには等しく、完璧な公正が与えられていることに気がつく筈です。(「霊訓原文」11)




 28. いまでは私の思想のすべてを伝えることが出来ます

 「私が送るメッセージは、私の霊媒のもつ語彙と彼の魂の進歩の程度によって制約を受けます。それらによって、私がどの程度にまで表現できるか決まってくるのです。ですから霊媒の魂が進歩してくると、その分だけ、それまでに表現できなかったことも表現できるようになります」とシルバー・バーチは言っている。霊界との通信では、このように、霊媒の資質がきわめて大切なのである。

 シルバー・バーチ自身も、現代英語をはじめから学ばなければならなかった。それが、交霊会を重ねているうちに、急速に上達して、新聞界の帝王ともいわれていたハンネン・スワッハーが心酔するほどに、完璧で美しい英語を話すようになった。霊媒のモーリス・バーバネルが英語の達人であったことも、大切な要因になっていたに違いない。やがてシルバー・バーチは、つぎのように言うようにもなった。

 いまでは私は、ことばだけよりも、私の思想の全体をいつでも伝えることが出来ます。すべて私に必要なことばは、霊媒の脳の何処にあるかがわかるようになっているからです。それで、これまで伝えることのできなかった私の考えも、すべて、あなた方にお伝えすることができるのです。(「霊訓原文」138




 29. あなた方は死んで初めて本当に生きることになるのです

 シルバー・バーチは、「死ぬということは決して悲劇ではありません。今その地上で生きていることこそ悲劇です。神の庭が利己主義と強欲という名の雑草で足の踏み場もなくなっている状態こそ悲劇です」と、死が悲劇でないことを強調する。(学びの栞A:2-c)

 死ぬということは生命を失うことではなく別の生命を得ることである。だから、「肉体の束縛から解放されて、痛みも不自由も制約もない自由な身となって地上での善行の報いを受け、叶えられなかった望みが叶えられるより豊かな世界へ赴いた人のことを悲しむのは間違いです」とも言う。(学びの栞A:2-f) そして、ここでは、つぎのように言った。

 地上世界では、小さな意識しか持つことができません。そのあなた方が大きな意識の中で起こることを記憶しておくのは困難です。あなた方は死んで初めて本当に生きることになるのです。(「霊訓原文」156)




 30. 魂が進歩するのは沈黙や調和や愛の中にいる時なのです

 私たちは、地位や名誉や財産などの実態のない影を追い求めてあくせくしがちである。多忙と喧騒のなかで己を見失い、他者への思いやりのこころからも遠ざかる。最も大切な霊性の向上にとって必要なことは何か。それを、シルバー・バーチはつぎのように言う。

 あなた方の魂が常に進歩していくのは、沈黙や調和や愛のなかにいるときなのです。その進歩は遅いかもしれませんが、間違いはなく、確実です。(「霊訓原文」151)

 私たちの地上生活の目的は、簡単にいえば、死後の生活に備えて霊性を高めることである。地上の善悪も、愛憎も、健康も病気も、その他ありとあらゆることが、そのための糧を提供する。そのことを静かに考えてみるこころの余裕を持つことも大切なのであろう。




 31. 死の関門は新しい進歩の始まりなのです

 私たちは、何度も生まれ変わってこの世に生きている。「魂は地上に生まれ変わったことを知る必要がある段階まで進歩すると、そのことがわかるようになります」とシルバー・バーチは言う。

 つまり、私たちは死んでも死なない。それが神の法則だからである。ただし、死後も生き続けるということは、それがわかれば解決というのではない。霊的向上の道は無限に続いていくから、それが新しい出発点の一つになるにすぎない。

 あなた方が神の分霊であり、そのために何の苦もなく、そのまま死の関門を潜り抜けることができることを知っても、それですべてが終わるのではありません。そこからが、新しい進歩の始まりなのです。(「霊訓原文」183)




 32. 愛の種を蒔いてください。そうすれば愛がやってきます

 どうか、愛の種を蒔いてください。そうすれば、愛がやってきます。平和の種を蒔いてください。そうすれば、平和が訪れます。どこにでも、奉仕の種を蒔いてください。そうすれば、世界中は人々の奉仕で満ちあふれます。これが、単純な神の真理です。(「霊訓原文」166)
   
 この「単純な真理」を、シルバー・バーチは繰り返し私たちに教えようとしている。「あなた方は、世界を国や民族で区別してはなりません。世界中の人々はすべて神の分身であることを、世に知らせなければなりません。人はみな神の子です。海を隔てて離れてはいても、神の目から見れば、みんな兄弟であり姉妹です」とも言う。冒頭のことばは、さらに、つぎのようにも繰り返されている。

 人類は今後よほどの努力と犠牲を払わなければ、この地上世界には多くの戦争が起こるでしょう。種を蒔いてしまったら、その結果は必ず刈り取らねばなりません。因果の法則を欺くことはできないのです。流血の種を蒔いておきながら、平和の実を刈り取ることはできません。物力を望んでおきながら、そこから起こる悲惨な結果を免れることはできません。ですから、どうか、愛の種を蒔いてください。そうすれば、愛がやってきます。



 33. 何事も神の法則から離れて起こることはありません

  ある日の交霊会で、参会者の一人が、「神は一羽の雀が落ちても、そのことを知り給うといわれています。この地上には数え切れないほど多くの人々が住んでおり、霊界に旅立った無数の人々もいますが、神はどうして一人ひとりに起こることをすべてご存知なのでしょうか」とシルバー・バーチに訊ねた。

 私もむかし、ある教会の掲示板に、「神はあなた方の髪の毛の一本までもご存知である」と書かれているのを通りすがりに見て、そんなことがありうるのだろうかと思ったことを覚えている。マタイ伝(10:29-30)には、「あなた方の父の許しがなければ、1羽の雀も地に落ちることはない。あなた方の頭の毛までも、みな数えられている」とある。シルバー・バーチは、冒頭の質問につぎのように答えた。

 神といわれるのは大宇宙の法則です。神はすべてのものに内在しており、万物は神です。魂は自分を知っているが故に、神も魂を知っています。雀は神なのです。だから神は雀を知っているのです。風にそよぐ木の葉にも神が宿っていますから、風にそよぐ木の葉も神です。地上であれ霊界であれ、宇宙であれ、地上ではまだ未知の天空であれ、どのような場所においても、神の法則が厳然として支配しています。何事もこの法則から離れて起こることはありません。ですから、神である自然法則の支配範囲にあるものは、すべて神に知られているのです。(「霊訓原文」53)



 34. 霊界へ来て初めて自分の本当の姿が見られます

 「ある人は邪悪な生活を送ったまま生涯を終えたとします。また、別の人は、改心して正しく生きることを決意したとします。この二人は、霊界へ行ったらどのように違ってくるのでしょうか」とある牧師がシルバー・バーチに訊いた。シルバー・バーチは答えた。

 「それにはあなた方の聖書のことばで答えましょう。“人は自分が撒いたものは自分で刈り取らねばならない”とあるとおりです。誰もそれを変えることはできないのです。あなた方が霊界へくるときには、ありのままの姿でやってきます」と。そして、その「ありのままの姿」をつぎのように説明した。

 それは、あなた方が自分で思っているような姿ではありません。まわりの人に見せようとしている姿でもありません。あなた方の心の奥にある本当の自分の姿です。あなた方は霊界へ来て初めて、その姿を自分で見ることが出来るようになります。(「霊訓原文」214)



 35.オーラがあなたの永遠の審判者です

 私たちにはすべて肉体が発する波長によって作られたオーラがある。そのオーラが見える霊視家の前に立つと、そのオーラを発している人の健康状態などのほか、魂の進歩の程度などもよくわかるらしい。つまり、そのひとのありのままの姿が曝け出されることになる。

 シルバー・バーチはこれを、「その人のすべてについて書き込まれた本が読む人の前に開かれているようなものだ」と述べている。まわりには知られていないつもりのその人の秘密もすべてわかるらしい。そして、つぎのように続けた。

 あなたがこれまでに言ったこと、考えたこと、行なってきたことのすべてがオーラには記録されています。オーラがあなたの永遠の審判者です。オーラを見れる人からは、あなたが外見からはわからない真実のあなたの姿が正確に見えるのです。(「霊訓原文」208)



 36. 洗礼を受けようが受けまいが神は何の影響も受けません

  ある交霊会で、出席者の一人がこう質問した。「キリスト教のどの宗派でも、洗礼を受ければ、人が死んだ時、その宗派の霊たちがその死者を霊界で迎え入れ、新しい環境に慣れるまで世話をしてくれる、と聞かされてきました。もしそうであれば、洗礼を受けずに死んだ人はどうなるのでしょうか」。それに対して、シルバー・バーチはつぎのように答えた。

 全世界と全宇宙の法則を支配する神、すべての多種多様な形の生命に宿る神、いつの時代でも預言者や使徒たちに顕れてきた神、私たち一人ひとりに内在する神、常に私たちの背後から見守ってくれている神・・・・、この神は、あなた方が教会で頭の上に水を振りかけられて洗礼を受けようが受けまいが、何の影響も受けません。(「霊訓原文」86)

 シルバー・バーチはさらに続けて言った。「大切なことは、神の真理に従って、生きてきたかどうかということです。二、三滴、水を振り掛けられたからといって、神の法則をごまかすことはできません。神の法則を変えることはできないのです。蒔いた種は必ず刈り取らねばならないのです。



 37.この悲しみの経験を通してあなたも霊的に進歩するのです

 夫を亡くして悲しみにくれている女性に対して、シルバー・バーチは、「あなたも、やがて、霊的の結びつきは物質的結びつきより強いことを理解し始めるようになるでしょう。あなたのご主人は、今は、かつて地上の世界に生きていたときよりも、あなたのもっと近くにいます」と言って慰めた。

 地上世界の進歩は、まだ物質の波動を超えていないので、肉体的な別離は大きなショックになるのだという。しかし、「地上の進歩がさらに進めば、物質はただの影にすぎないこともわかってきます」とシルバー・バーチは説く。そして、つぎのように続けた。

 あなたがもっと霊的に進歩すれば、光と光によって作り出されている影とを区別できるようになります。個人的な目でこの悲しみを見てはいけません。いまのこの悲しみの経験を通して、多くの人々が救われるのであれば、それで、あなたも霊的に進歩するのです。(「霊訓原文」184)



38. 魂の進歩に相応する分だけ宇宙の力が働くようになります

 祈りとは何か。「祈りというのは、神に近づいていきたいという魂の願いです。祈りとは神を表現することであり、祈る人がそれまで達することのできなかった霊界の高い次元へ昇っていこうとする魂の表現です」とシルバー・バーチはいう。

 したがって、祈りとは、何よりもまず光を求めようとする魂の叫びでなければならない。そして、その祈りは、私たちの魂がどれだけ進歩しているかによって、霊界の多くの霊たちにすぐにでも届いていく。それをシルバー・バーチはこう教えている。

 思念は霊力の一部なので、あなたが念じていることがさらに大きく力を持ち始めます。そして、あなたの魂の進歩の度合いによって、それに相応する分だけ宇宙の力があなたに働くようになります。つまり、あなたは、自分の及ぶ範囲の霊力を自由に使えるようになるのです。(「霊訓原文」70)



 39. 神の法則に逆らって生きるものは必ず代償を支払わされます

 戦争が起こると、多くの人が、「神はなぜ戦争を止めないのか」、「神はなぜ戦争を防ぐことができないのか」と言います。しかしそれは常に、神の法則を守ろうとしなかった人々が責任を負うべきです、とシルバー・バーチは教える。

 地上世界で何をやっても、その結果から免れることはできない。高慢、嫉妬、妬み、貪欲、悪意、不信、懐疑など、神の法則に逆らうこころのあり方が、結果として困窮を生み出し、不和のもととなり、戦争をも惹き起こしているのである。原因と結果の因果関係は決して変わることがないことを強調して、シルバー・バーチの教えはこう続く。

 神の法則に逆らって生きるものは、個人であれ団体であれ、或いは、民族であれ国家であれ、必ず代償を支払わされます。私がいつも言ってきたように、神の法則は完璧に働いているのですから。・・・・ここでもう一度繰り返しておきます。この世を動かしているのは大法則、つまり神の法則だけなのです。(「霊訓原文」39)



 40. 霊界での界層が低いほどその様相は現世によく似てきます

 よく知られているように、霊界というのは階層社会である。光り輝く高い階層から、光の乏しい低い階層に至るまで幾層にも分けられていて、私たちは死後、自分の霊格の高さに応じた階層に振り分けられていく。

 霊界の低い階層では、波長が粗くて、その様相がこの地上とよく似ているらしい。だから、死後、霊界の低い界層へいく人にとっては、自分が低い階層にいることがなかなか理解しにくい、という。シルバー・バーチによれば、その階層の違いはつぎのようになる。

 霊界での界層が低ければ低いほど、その様相は現世によく似てきます。そこでの波長が粗いからです。霊界での界層が高ければ高いほど、波長はより繊細になっていくのです。(「霊訓原文」125)